ヨーロッパでは国によって異なりますが、特にイギリス・ドイツ・デンマークでは、福祉に対して独自の伝統・制度を持っているため、補聴器の販売・供給体制が社会に定着しています。一方、米国では、業界団体などの自主的な活動の一環として、補聴器利用者を擁護。販売店やメーカーとの緊張感を通して補聴器の普及に寄与しています。
欧米諸国では、補聴器販売業者には公的資格制度が導入されています。難聴者に補聴器を販売する場合は、まず医師による診断を行って、有資格者(オージオロジストまたは音響技師等補聴器専門家)による聴力検査、耳型採取、フィッティングを実施。このように、欧米では補聴器販売業者と医師との役割分担や連携体制が確立されています。日本でも業界挙げて、こうした制度の確立に取り組んでいます。
「補聴器供給システムの在り方に関する研究」3年次報告書より