一般社団法人 日本補聴器工業会
理事長 東條大輔
新年あけましておめでとうございます。令和8年を健やかに迎えられたことを心よりお慶び申し上げます。併せて、旧年中に賜りました日本補聴器工業会へのご理解とご支援に深く御礼申し上げます。
昨年は、米国トランプ政権による関税政策や国内の米騒動など、物価高騰が生活に大きな影響を及ぼした一年でした。一方で、大谷選手をはじめとする日本人選手のメジャーリーグでの大活躍などスポーツ関係は盛り上がり、特に東京で初開催となったデフリンピックは補聴器に携わる者として印象に残る出来事でした。新しい年がより明るく、経済活動も 上向いていくことを期待いたします。
2025年の当工業会会員各社による補聴器出荷台数は、11月累計で前年比102%となりました。夏過ぎまでは猛暑や豪雨の影響で一時伸び悩みましたが、その後回復し、前年を上回る推移となっています。この傾向が続けば、2025年には過去最多であった2023年(65.2万台)を上回る見込みです。
当工業会では昨年、難聴者と補聴器に関する大規模調査「Japan Trak2025」を実施しました。現在集計を進めており、新年に結果を公表する予定です。既に発表された「EuroTrak2025」では各国の補聴器普及率は前回調査から上昇しており、わが国の結果にも注目しています。
また、約10年ぶりに「全国補聴器販売店舗数調査」を実施し、全国で8,060店舗と約5%増加しました。一方で補聴器店舗がない自治体が42%に上ることも明らかとなり、今後はより身近に補聴器を扱う店舗の増加が望まれます。
団塊の世代が75歳以上となり、わが国は本格的な超高齢社会に入りました。難聴者やきこえに不便を感じる方は今後さらに増加することが予想されます。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会においては、難聴啓発プロジェクトに注力されており、「聴こえ 8030運動」の推進や2年目となる「AC ジャパン難聴啓発キャンペーン」など、補聴器の効果を含めた聴覚ケアの啓発活動が積極的に展開されています。また、全国各地の自治体において補聴器購入費助成制度の導入が広がりつつあります。補聴器を必要とする方が早期に耳鼻科医師の診療を受け、適切なルートで全国どこでも均しく助成を受けられる仕組みの整備が必要です。そのためには国の参画と認定補聴器技能者の公的な位置づけが必要であり、難聴者を一貫して支援する法律の制定を強く求めてまいります。
補聴器の存在は広く知られているものの、その機能や効果について正しく理解されている方は依然として少なく、集音器など医療機器以外の製品と混同される例も見受けられます。本年も補聴器に関する情報 をわかりやすく伝え、きこえの重要性とともに周知・啓発を進めてまいります。
日本補聴器工業会は、補聴器が健康長寿社会実現に重要な役割を担うとの自覚をもち、医学会、補聴器関係団体、難聴者関係団体等との連携を深め、補聴器の適正な普及拡大に引き続き努めてまいります。本年もより一層のご支援とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、新しい年の皆様のご健勝とご発展を祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。