補聴器の仕組みを説明している写真

補聴器の仕組みを解説。
なぜ聞こえるの?

補聴器は、音の聞こえを改善するために使用される代表的な医療機器です。それでは、補聴器はどのような方法で音を聞き取りやすくしているのでしょうか?

今回は、補聴器が音を伝える仕組みを解説します。代表的な補聴器の種類や特徴も解説しますので、補聴器選びの第一歩としてぜひ参考にしてください。

1. 補聴器の構造と音が伝わる仕組み

補聴器を構成している主な部品は、「マイク」「アンプ」「レシーバー」の3つです。

マイクで集めた音をアンプで増幅し、レシーバーを通して使用者の耳に届ける仕組みになっています。

補聴器の構造と音が伝わる詳しい仕組みは、以下の通りです。

補聴器の構造と音が伝わる仕組みを説明している写真

① 【マイクで音を集める】

補聴器には、小さな話し声や環境音も感知できるよう、小型で高感度なマイクロフォン(マイク)が搭載されています。マイクは、補聴器に入ってきた音を電気信号に変換し、アンプへと受け渡します。

② 【アンプで音を大きくする】

アンプとは、補聴器に内蔵された小型のコンピュータです。

マイクで変換された電気信号は、アンプによって増幅・加工されます。単純に音を大きくするだけではなく、音の強弱や方向、雑音の除去など処理をおこなうことで、使用者が聞きやすい音に調整します。

③ 【レシーバーで音を伝える】

レシーバーとは、補聴器に内蔵された小型のスピーカーです。

アンプで処理された電気信号は、レシーバーによって再び音に変換され、使用者の鼓膜へと届けられます。

2. 補聴器は主に3種類

補聴器には様々な種類がありますが、大きく分けると「耳あな型」「耳かけ型」「ポケット型」の3種類に分類されます。

耳あな型 耳かけ型 ポケット型
耳あな型補聴器のイメージ写真 耳かけ型補聴器のイメージ写真 ポケット型補聴器のイメージ写真
装着方法 対応可能な聴力レベル メリット デメリット 価格帯の目安
耳あな型 耳の穴に入れる 軽度~高度
  • 補聴器の装用が目立たない
  • 眼鏡やマスクの邪魔にならない
  • 汗による故障のリスクが低い
  • 閉塞感や圧迫感を感じる場合がある
  • 耳垢による故障リスクがある
5万~50万円
耳かけ型 耳の上にかける 軽度~重度
  • 操作しやすい
  • 付け心地が良い
  • メンテナンスがしやすい
  • 製品のバリエーションが豊富
  • 眼鏡やマスクの邪魔になる
  • 汗による故障リスクがある
5万~50万円
ポケット型 ポケットに入れたり、首から下げたりする 中度~重度
  • 操作が簡単
  • 紛失しにくい
  • ハウリングが起きにくい
  • 故障のリスクが低い
  • 比較的安価で購入できる
  • 補聴器の装用が目立つ
  • 本体やコードが邪魔になる
3万~9万円
【聴力レベル】
  • 軽度難聴 (25~50dB): 小さい音が聞こえにくい
  • 中度難聴 (50~70dB): 普通の会話が聞こえにくい
  • 高度難聴 (70~90dB): 大きな音でも聞こえにくい
  • 重度難聴 (90dB以上~): 耳元での大きな声も聞こえにくい

ここからは、各タイプの特徴やメリット・デメリットなどを紹介します。

2.1. 耳あな型の特徴

耳の穴に入れて使用するタイプの補聴器です。小型で軽量のため補聴器の装用が目立たない、眼鏡やマスクの邪魔にならない、汗による故障のリスクが低いなどの特徴があります。

一方、耳あな型のデメリットとしては、人によっては閉塞感や圧迫感を感じる場合がある、耳垢による故障リスクなどが挙げられます。

軽度~高度の聴力レベルに対応可能で、価格帯の目安はおおよそ5万~40万円です。

2.2. 耳かけ型の特徴

耳の上にかけて使用するタイプの補聴器です。耳あな型よりサイズが大きいため取扱いや操作がしやすく、その他にも付け心地が良い、日々のお手入れやメンテナンスがしやすいなどの特徴があります。さらに軽度から重度まで幅広い難聴に対応可能で、機能性やファッション性に富んだ製品が多く販売されています。

一方、耳かけ型のデメリットとしては、眼鏡やマスクの邪魔になる、汗による故障リスクが高いなどの点が挙げられます。

製品のバリエーションが豊富なぶん、価格帯もおおよそ7万円~50万円と幅があります。

2.3. ポケット型の特徴

ポケットに入れたり、首から下げたりして使用するタイプの補聴器です。その形状から箱型、ボックス型などとも呼ばれ、本体とイヤホンをコードでつなぎ、耳に装着して使用します。3種類のなかで最も大きく、小型のラジオ程度のサイズがあるため操作が簡単、紛失しにくいのが特徴です。また、マイクとイヤホンが離れているためハウリングが起きにくい、故障のリスクが低いなどのメリットもあります。

一方、ポケット型のデメリットとしては、補聴器の装用が目立つ、本体やコードが邪魔になりやすいなどの点が挙げられます。

価格帯はおおよそ3万円~9万円と、3種類のなかでは比較的安価に購入できる傾向があります。

2.4. 出荷数が多いのは耳かけ型・耳あな型

耳掛け型補聴器のイメージ写真

3種類の補聴器のうち出荷数が最も多いのは耳かけ型で、次に耳あな型が多く、最も少ないのはポケット型です。

実際に、2022年の補聴器の出荷台数60万178台のうち、耳かけ型は58.9%、耳あな型は38.7%、ポケット型は2.3%を占めており、全体の97%が耳かけ型または耳あな型であることがわかります。

3. 自分の聞こえに合った補聴器選びが大切

聞こえの悩みを補聴器で改善するには、自分に合った補聴器を選ぶことが重要です。耳鼻咽喉科医や補聴器専門店などで聴力検査を受け、自分の聴力レベルに対応した機種を選びましょう。

また、毎日使用することを考えると、ライフスタイルやつけ心地なども重要な判断基準です。例えば、日中静かな家で過ごすことが多い方と、仕事などで人と話す機会が多い方では、補聴器に必要な機能もそれぞれ違ってきます。

使用者本人が聞こえ方や装用感、操作性などを確認し、使いやすいと感じるものを選びましょう。

4. まとめ

補聴器は、マイクで周囲の音を拾い、アンプで音を増幅した後、レシーバー(スピーカー)を通して耳に届ける仕組みになっています。

また、補聴器には大きく分けて「耳あな型」「耳かけ型」「ポケット型」の3タイプがあります。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、使用者本人が聞こえの状態や装用感、操作性を確認し、納得して使える機種を選びましょう。